檜森新聞　第十号

・落ちた翻訳家

1月16日午後2時ころ潅木の除去作業を行っていた翻訳家42歳が約2メートルの石垣から落ち栄えある労災認定第一号となった。彼は石垣に立てかけたはしごを危なっかしく上り、ブッシュの生えた斜面にやっと乗り移って鎌を振り回していたが、もと鳶職が

「あっぶねえな。絶対落ちるぞ」

と思って見守る目の前で、どた、と落ちた。

　さいわい下には誰もいず、怪我も軽い捻挫ですんだが彼は相変わらずのへなちょこなのであった。

ところで忌憚のない意見をとあえて求められるならば、翻訳家42歳のファッションセンスはかなりおかしいのではないかという意見に本紙としては同感の意を表さざるを得ない。

・祝検索エンジンに初ヒット

1月21日Lycos Japanという検索エンジンで「ホームレス」を検索すると總ヒット数7736のうち「奥多摩ホームレス通信」が第三十二番目に入っていました。

これで本紙も全国区。

　ところでそれにともない皆様に相談があります。

ほんらい私のHome Pageは裏面のホームレス通信だけの連載として始まったのですがバックナンバーもたまったことであり、今年から表面の檜森新聞ものせることにしました。するとそこで問題になるのは「名前」と「写真」の扱いをどうするかということです。

　ほかの人のHome Page、たとえば新規就農者のページなどでは「わたしのプロフィール」というコーナーを設けたりして本人や家族の写真と名前を明らかにしています。

　また、道で見知らぬ人と出会って自己紹介をするのはあたりまえのことだろう、しかし住所や電話番号は初対面の人には教えないはずだ、インターネットもそういう常識的な線で考えればよいのではないか、という意見もあります。

　当面私もその線で行こうと思いますが、いやそれは困る、桧原森林組合に勤めたのは一生の不覚であるので本人だけの秘めたる一ページとして深く封印しておきたいとゆー方、また、自分の顔のような粗末なものを満天下にさらすのはとてもしのびがたいものがある、とゆーよーな方は編集部までお申し出ください。

・翻訳家42歳のiマック導入ほぼ決定的

その理由に関してはとくにその経緯を秘す。

　なおS氏の「コスプレ○○趣味」またSさんの「巨乳フェチ」またM君の「タイマッサージ」に関しても本紙としてはとてもここで明らかにするわけには行かない。